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色を愛していた。この世界の彩を愛していた。
全てが美しくて、愛しくて、だから筆を取った。私が見たまま、思ったままを一枚の紙に、丁寧にていねいに。
自己満足のそれを誉めてくれる人がいた。心待ちにしてくれる人がいた。私の愛する色を、共に愛してくれる人がいた。
なのに。
ああ。なんで。色が見えない。あんなに愛した彩が、世界が、どうしてこの目に映らない。
愛しい人の、愛しい色彩すら。

ねえ、私、あなたの描く絵を、本当に愛していたのよ

4/18/2023, 1:52:58 PM