狼星

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テーマ:上手くいかなくたっていい #269

「上手くいかなくたっていいさ。失敗すればいい」
私はそういう姉が嫌いだった。
なんで完璧を求めないの?
失敗は怖いよ。
上手くいかなきゃやっても意味がない。
そう思って姉の言うことは
いつも右から左へ流していた。

ある日、私は大失敗をしてしまった。
私は完璧を求めすぎて、
自分だけ突っ走ってしまったのだ。
すると周りから冷ややかな目で見られた。
「何1人で頑張ってんの?」
「いい子ぶってる?」
次第に私は教室の隅で独りぼっち。
「あの子は?」
「いいの。あの子は1人で何でもやれるから」
いつからか、私の席の周りには誰もいなくなっていた。
でも私は知らないふりをした。
1人で小説を読んだ。
10分の休み時間だけで30ページ進むときもあった。
でも誰も私には近寄ってきてくれない。
何なら冷ややかに向けられる視線が増えた。
私は姉の言葉を思い出した。
「上手くいかなくたっていいさ。失敗すればいい」
その言葉は分かりにくかったけど、
やっとわかったかもしれない。
完璧を求め自分だけで突き進まず、
周りを見ろということかもしれない、と。
周りを見てそれで失敗するのなら、
その失敗は自分を変えてくれる、と。

私は間違っていた。
それに気がつけた。
私は変われるだろうか。
今日は久しぶりに姉と面と向かって話そう。
右から左へ流さずに、
しっかりと話しを聞こう。
きっと姉は言うだろう。
「誰しも失敗をする。失敗すればいい。完璧を求めるな」
と。

8/9/2023, 2:47:10 PM