NoName

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たしかとても日差しが強い日だった

海の匂いが僕を誘ってきた

あの子の髪がかすかになびいていた

「ねぇ、私たち別れよう」

その言葉は波の音に溶けていった

あの日流した涙が

あの日流した汗が

あの日見た海のようにしょっぱい

あの味と匂いがまた今年も夏の気配を呼んでくる

「夏の気配」

6/29/2025, 12:56:02 AM