帚星 テラーノベル⇨天華🎧📖

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朝から水をかぶった。

まさに物語みたいな『イジメ』

ほんと、何歳なんだか、

そんな私の唯一の味方は『本』。

今日もいつもの本屋に通う。

ここは裏通りで、『イジメっ子達』は滅多に来ない。

ガラガラ

、、、あれ、

いつも聞こえてくる声が聞こえない。

いつもは戸を開くと

『お、せりなちゃん。お帰り。』

そういうオジサンがいるはずなんだけど。

『、、、いらっしゃい、』

そう、本を読んで顔も上げないオニイサンがいた。

、、、なんだ、オジサンじゃないのか。

『、、、』

オニイサンはやっと顔を上げた。

と、思ったら、

『、いつものオジサンならいないよ。』

そう言った。

、、、

『、、、え?』

『いつものオジサンでしょ?カラダが悪いんだとさ。』

『、へぇ、』

オニイサンが仏頂面のせいで、反応が歳上にないするモノじゃなくなってしまった。

『で、キミ、おすすめだよね。オジサンはこれがいいとさ。』

そういい、いつもオジサンが選ぶような作者、雰囲気の本を渡してくる。

『、どうも、』

居心地が悪い。

私は、とっとと会計をして店を出た。

すると、雨が降っていた。

、、、傘を持っていない、

、あーあ、

、そこに、イジメっ子が歩いてきた。

、最悪、

罵声を浴びせられる。

、、、なによ、ほんと、

、、、運が悪い、

散々言ってスッキリしたのか、イジメっ子は帰って行った。

あーあ、雨、止まないかなぁ、

なんて考える間もなく、

雨は止んだ。

通り雨だったらしい。

きっと、イジメっ子をつれてきたのだろう。

ちなみに、次の日、『いつものオジサン』は店にいた。

何もなかったような顔、たたずまい。

いつもの会話。


私はこの不思議な日を、

『不幸を呼ぶ雨雲の日』

と、呼んでいる。










お題_通り雨
10作目_

9/27/2023, 11:07:56 AM