しゅきかさん

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故の祖父はこう言った。

「毎日3枚の違う窓を観て」

これは小学生の時に言われた。
今も違う窓を眺める事は3枚以上ある。

その世界にいる時間は
どれだけ長いのか、
その窓に居るのはほんのすこしだけでも

その言う言葉は私にとって
魔法のようになっている。

例えば、

同じ味のコンビニの味に馴れる事は
簡単だけど、
それを飽きること無い人も居る。

忙しい人が多すぎてぎゅうぎゅうの
コンビニで
同じ味を選ぶこと。

今の私の時間には
満たされることが無かった福音も

嫌がる都会に
聞き慣れちゃいけない音がある

無数の無音が隠されている。

外の室外機音しかしない。

人のざわめく雑多音しかしない。

ひっきりなしに歩く靴音が響く。

都心で感じたスレ違いは
その音が奇妙で仕方なかった。

ただ真っ直ぐだけに歩き続ける社会人

気ままに声が掛かるのが
知らない人の親しげな営業

打つかっても、鞄が当たっても
何も無いように
歩く殆ど他人の臭いだらけの街並み

なんの臭いなのか
足の裏を嗅ぐような臭いの都会の街並みを
戦車のように走り、クラクションを鳴らす
車や人、人、人。

なんてこと無い新しい店に
何十人もその味を知る為に
隣の県から来る山のような人。

高らかに嘲け笑う事が
ステータスなのぐらいの
流行りの香水を振りまきながら歩く
華奢な人。

なんか心んところをぎゅって掴む
瞬間のホッとするという場所の意識連通の
齧り付くような人の多くなる謎

みんなギューギューして
生きるのが好きな人達。

電車も
人も
コンビニも

みんな肉球の焦がしたような匂いの
ホコリっぽい小さな子は
居ない。

年代らしさって無い全色同じ服の若いという男性女性。

世の中が全部
何が埋まりすぎているのか
気付かないまま
箱から箱に行ったり来たり。

何してるんだろう。

都心っていう腐食に。

何してるんだろう。
何急いでんだろう。
生きてる音がしない場所で

また齢を重ねてる。

そろそろ休みだったらさ

消えた声に気付かないのは誰。

何の痛みなんだろう
随分な大人が怒鳴り合ってる。
何の病なんだろう
随分な大人がパターンしか出来ない
何の悲しみなんだろう

貴方は生きているこの文書を読んで

今、初めて

気づくのかな。



子供でも大人過ぎでもない

僕らは正しくは、
仕事でなければ訪れ無いんだよ。

今日もほら

ピキッと割れた割り箸を

何ともない顔して同じものを食べてる
その人は

正しく無い街並みを

それでも生きている随分な大人だよ。


贅沢過ぎる時間はアナタの帰るのは
その街しか無いなら 

最初に言った

同じ窓を眺めるのは
そこに産まれてそこで何の苦悩も無く
佇む瓦礫が包む隣の都会の家を

同じ窓を見ているのは

都会に染まる事も、
都会に居ても、
貴方はいつか変わらなくては為らない
その日は、

貴方のすぐそばに
「違う窓を3枚眺めて」と
病室で弱り果てた家族を

遊びにゆこうか

と誘ったその人が

この世から二度と逢えなくなる

最後の意識を

その成れの果てで同じ様に

倒れる貴方だよ。



貴方に逢うその一声を
忘れている
貴方に逢うその一声を
隠している
貴方に逢うその一声を
馬鹿にして

貴方の涙は今も

亡くなる事も
何にも感じなかった痛みを

貴方は後悔する。


随分な大人はこういう

どうしても
なんでも
分からないのか


子供は泣きながら解る
今がまだ
甘えられて良い齢だと

泣く場所は

今、側でどうしたという顔の

家族の街が今は、やさしい

その声を一生覚えていて下さい。

今は、この世の中の、
活きている時間の
そばに要られる

記憶の中のひとつだよ。


泡のようにしゅわしゅわ溶けて

満ちる思いは

貴方が何でもないふっと

亡くなる悲しみを自慢したい訳じゃない

活き方を見つめる。

あなたの満たされる思いは

それは忘れ掛けていた

僕らが帰る場所に居る理由だよ。


どうぞ、その場から動けない都会でも
その箱に気付かなかった出来事も
私達はその辛さをもう
抱えずに活きている。

あなたの観ている箱の窓は
いつから変わっていなかった??






9/26/2024, 7:44:05 AM