「ハロウィンも終わったことだし、死者は大人しく墓に戻るとしますか」
「もう行くのか? もうちょっとゆっくりしてけよ」
「そうしたいのは山々なんだけどねえ、僕みたいな体腐ってる奴ずっといたらヤバいでしょ。アーシャが来たときとかムード台無しじゃん。実は自分でも結構臭うんだよね」
「は? お前なんでアーシャのこと知ってんの? この時期しかいねえくせに」
「テオが言ってた」
「アイツ!」
「相変わらずおしゃべりだよね」
「…本当にもう帰るんだな」
「うん。名残惜しいけど」
「そのうち祈りに行くさ」
「まあ、あんま気遣わなくていいよ。母さんたちも来るだろうし」
「いや幼馴染みなんだから花ぐらい供えさせてくれよ」
「じゃああの白いやつがいいな」
「ユリか?」
「ああそれ。じゃあね。ありがとう」
「ああ。また来年」
11/2/2023, 12:24:48 PM