時雨(13)

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ただ人生を歩んでいる。でも、自分の人生を客観的に見てみると私は大小様々な分かれ道を歩んできたことが分かる。それぞれの分岐点で、分かれ道で、自分が選ばなかった道の未来を想像してみる。木の枝の様な生きる限り無限に続く小枝の分かれ道。
選択を見誤ると右へ右へ、左へ左へと傾いてやがて倒れる。立ち上がることができなくなる。自分ひとりではどうすることも出来ない。でも、過去の選択の一つからまた新しく芽が芽生え、慎重に慎重に伸びていく。隣の大きな倒れた木を取り込んで、ゆっくりゆっくり。やがて大きな木になった芽は優しく自身の身体を見下ろす。そっと囁く。
「間違えてもやり直せる」
と。

お休みなさい。

6/8/2024, 1:07:38 PM