「あー、言いにくいんだけど、僕これから友達と約束があるからさ、悪いんだけど帰ってくれる?」(元)彼が言った。
「え?きいてないけど?それにあたし来たばっかりじゃん?」とあたしがこたえると彼は「君も僕の予定もきかずに突然来たんでしょ?」と着替えながら言った。
「だって前につきあってたときは、あたしが突然来ても約束あっても、いつもあたしを優先してくれてたじゃない。そうだよ、キャンセルしなよ。あたしといいことしよ?ね?」あたしは可愛く言った。どうよ。
ところが(元)彼は「それはつきあってたときの話でしょ?今僕らつきあってないよね」と言った。
え?どういうこと?あたしの動揺が顔に出ちゃったみたい。
追い打ちをかけるように「つきあってないよね。1ヶ月くらい前だっけ?君が悪かった、お願いだからやり直してって電話してきただけで、僕が何て返事したか覚えてないの?」と髪を整えながら言った。
(元)彼の返事?
そんなのこんなに可愛いあたしが言ったんだからすべての男の子はOKするに決まってるもの。聞いちゃいないわよ。
前の彼に捨てられて、怒りとさみしさで、電話に出そうな元彼リストからチョイスしただけ。
この(元)彼は前にも1回よりを戻したし。次を探すまでのちょうどいい男の子なら、誰でも良かった。
けど、でも、何よ。ひどくない?
支度を整えた(元)彼は私を押し出すように外に出ると玄関の鍵をガチャリと締めた。
そして(元)彼は1人でさっさと駅に向かってしまった。
あーあ、今夜どうしよう。
あたしメイクもお洋服もこんなに可愛く頑張ってるのに。男の子受けすることは何でもしてあげたよ。
何でいつもこうなっちゃうのかしら?
あたしばっかり可哀想。
ま、いいわ。さて、今夜のベッド探さなきゃ。
そしてあたしはスマホの元カレリストから、電話に出そうな男の子を探し始めた。
お題「失恋」
6/4/2024, 3:52:27 AM