NoName☻

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そして、みんな幸せに暮らしました。

そのみんなの中に、入れなかった人が一人いました。
悪いことをした男の弟です。
街を歩いても、学校へ働きに行っても、
悪いことをした男の弟、という目で見られ、陰口を言われたり、物を投げられたりしました。
暮らす家には、洗剤ではとれにくい塗料で、落書きをされたり、無言の電話が延々と続いたり、彼の生活は、幸せととてもかけはなれていました。
自分が、何をしたというのか。
兄への怒り、憎しみを、どう静めればよいのか。
一人苦しむ姿を主人公が知るまで、一年の月日が流れていました。
そして、弟がみんなと同じように幸せに暮らせるまで、彼自身が幸せと思えるまで、またもう一年の月日が流れました。

10/29/2022, 1:51:08 PM