柳絮

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窓から見える景色


白い壁に、葉が落ち切る間際の枯れ木の絵が描いてある。
有名な小説にちなんだそれは、春も夏も秋も変わらず寒々しい枝を晒していて、どうにも寂しい気持ちにさせた。どうせならもっと楽しい絵にすればよかったのに。
そう言うと、隣のベッドの典文くんはおかしそうに笑った。
「明るい絵にしたら暗い気持ちの人に怒られるんだよ」
「えー」
「じゃあ美羽ちゃんならどんな絵にする?」
2人で描いた絵を窓に貼った。
1人になっても。


※「最後の一葉」オー・ヘンリー

9/25/2023, 3:22:45 PM