あなたの優しさに触れる度、自分がいかに最低か思い知らされる。
自分の身を守るためにあなたを傷つけるような嘘をついた。今まで積み上げてきたあなたとの何もかもを無に帰す愚かな所業だった。
しかし、あなたは笑って私のことを許した。いっそ怒鳴って私のことを責めてくれたら良かったのに、あなたはそうはしなかった。それが私にとって一番の罰だとわかっていたからだ。
あなたは私の手を取って今までと変わらぬ笑みを浮かべている。
「本当にごめんなさい」
「いいんだよ、もう」
好きだったあなたの優しさが、今では一番痛い。
5/3/2024, 9:23:06 AM