感謝情緒

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逆光を浴びた。
己の虚しさに心が削れて、結晶となり貴方は再び私の元に。
光り輝く太陽は貴方の目に映り、醜さを隠した私は貴方の前に立つ。
パシャリ、という音と共に私のスマホは鳴り響きデータとして貴方が残される。貴方は嫌がったが、消せとは言わず私はそそくさとその中身を確認した。

逆光だ。

太陽の明るさに反射して、貴方は真っ黒だった。振り切られる貴方の顔は、逆光で何も見えやしない。
貴方は笑った。二度と写真を撮らせてはくれなかった。
逆光を知らぬまま。
私は貴方を黒い顔だと思い込む。

1/24/2023, 10:25:05 PM