定規

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※この物語はフィクションです。
実在の方には何の関係もございません。





岩井一希、これが俺の名前だ。
一つの希望、なんて俺の親も大概面白い考えをしたものだ。
あるのは絶望だけだと言うのに。
底の無い沼にずぶずぶと沈み込んでいくような感覚と
吐き気の催すような目眩に苛まれ
カーテンを閉め切った暗い部屋の中で朝を迎えたのだ。何も成せぬ己に呪詛を吐きながら。げぇ。
何も無い、学校に行けばただ人前でへらへらと愛想を振り撒き一過性の笑いしか取れぬ使い捨ての人間には憐れみが一番似合うのだ。
天才でも無く、秀才でも無い。
ただただ人の波に埋もれていく自分を嗤う。
“ユニーク”“個性が強い”“面白い”
あぁ、よく聞く言葉だもう聞き飽きた!
所詮君等は俺の表面しか見ていないのだろうて。
それはそうだ、当たり前だ。
誰も見たくないだろう?惨めに病んだ面倒な人間を。精々ゴミを見るような目で嫌うがいい。俺はその視線に笑顔で応えるのだから。嘲笑。
こんな悲劇のヒロインぶって偽悪に満ちた言い訳を、屁理屈を捏ねているだけの俺は受験生だった。
学校は、焦燥と切迫感に追われる場所だ。
















続きはいつか書きます

5/27/2023, 12:26:43 PM