どこかの誰か

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初恋の日
それは遥か昔の事だけど鮮明に覚えている。

君と出会ったのは学校だった。
教室の隅っこで静かに本を読んでいる。
とても物静かな男の子。
夏の風と共に君の髪がサラサラとなびく。
私は不思議と目を奪われた。
君が私に気づいて静かに微笑む。
夏の眩しい太陽に照らされている訳でもないのに
私の頬は真っ赤に染る。

黒い髪にすらっと通った鼻筋そして透き通るようなとても綺麗な目。

私の心の中で何かがおどる。
そして気づいてしまった。

私の初恋が始まる。

5/7/2023, 12:53:27 PM