退屈を紛らわせたくて、頬杖をつき空いた片方の手に持ったリモコンでテレビのチャンネルを変えていった。バラエティ、お笑い、ニュース、情報番組。どれも興味がなくて、次のチャンネルも興味がなかったらテレビを消してしまおう。そう思ってボタンを押した時、アイドルの笑顔が画面いっぱいに映り込んだ。
画面からキラキラが飛んできたような衝撃だった。しなやかな体をいっぱいに弾ませるダンス。よく通る声は甘やかで耳に馴染んで体に巡る。白く輝くスポットライトを受けているのに、彼の体自体が淡く発光しているようだった。
あぁ、これだ。彼こそが私のきらめき。私は一生の推しに会ったのだと、言葉で考えるよりも先に涙を流して感情で知った。
9/4/2024, 1:24:35 PM