「後日譚」
これはNightmy Arcadiaが開催されてから幾夜か経った時の話。
「この" 理想郷 "もあとどれだけ続けられるかねぇ」
理想郷の主催者となってから既に何百年と経っている。
そろそろ体がガタついてきてもおかしくない頃だろう。
先代の主催者も数百年務めれば主催者の座を降りていた頃だ、
オレもそろそろ降りる頃かねぇ…。
主催者を務められなくなった者は後継者を見つけ、
次の主催者としなければならない掟がある。
後継者が見つかればすぐにでも主催者の座を降りることもできるが、
後継者になりたいと思う者が見つからず座を降りようにも降りれなかった、
と何代も前の主催者から語り継がれている。
オレも早くから見つけようとはしていたが、
主催者として名が広まった今、
次の主催者を探そうと街に行けばオレの顔を見るなり皆家に逃げ込んでしまう。
皆何百年も主催者の座にいたくないのだろう。
それもそうだ、
無法地帯の時間が終わって後片付けから次の開催の準備は全部主催者が受け持つのだから。
そんな面倒なこと好きでも無い限り誰もやりたがらないだろうよ。
オレは誰かが楽しんでいる顔を見るのが好きだったから続けることが出来たが、
常人には苦痛としか感じないだろう。
オレはこの理想郷が好きだから体が持つ限りは何百年、何千年と主催者を務めたいと思っている。
だが体が言うことを聞かなくなれば主催者が務まらなくなる。
理想郷が終わってしまうのは嫌だから、
どうにかして後継者を見つけたいところ。
「嗚呼、
この体が何十年何百年と
持ってくれればいいのだけどな。
可能ならば、
体もこの理想郷も全て、
" 永遠に " 続いて欲しいんだがな。」
テーマ:永遠に
※創作
11/2/2024, 2:01:28 AM