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僕たち あとどのくらい一緒にいられるかな

そう問いかけたのは16の僕だった。
いつか死ぬということがおそろしかった。
卒業式や結婚式が 僕の人生になくても、
僕の葬式だけはいつか執り行われる。
僕はおそろしかった。

それに応えたのは16の彼だった。
僕とまったく同じ身長で。
そう、中学のころの先生には
『ぐりとぐら』に例えられた。
双子ではないのだけど。
以下、
彼のことを『ぐら』と呼ぶことにする。

ぐらはなんて言ったと思う。
あいつ 飴をからんころんと口で
転がしながら

ずっと!

なんて無責任なことを言いやがる
僕は頭にきて 言い返した

ずっと、なんて言葉ない
ずっと、とか。存在しないくせに
言葉だけ独り歩きしてるんだ
地球もいつか終わる
おまえも僕もそうだよ

そしたら ぐらはキョトンとした。
それから少し飴を口の中で転がしたかと
思うと、床にぺっと吐き出す。
まだ溶け切ってない苺の飴。
そしてぐらはなんて言ったと思う。

死ぬときは
一緒に死の!

って。にっこり笑うもんで。
言葉と顔が合ってないし
吐き出した飴もふつうに汚いけど
そのチグハグさが 僕は 好きなんだ。




p.s
みんなの投稿で見かけた
貴女が元気になりますように
もしかして私?って思った貴女
そう貴女だよ
貴女の文章は 貴女の人柄を感じる文章
わたしはとても惹かれました
だから どうか貴女が元気でありますように
少しでもわたしの言葉が
貴女に届けばいいなと思います
貴女の言葉を届けてくれて有難う

3/13/2024, 3:06:47 PM