NoName,

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It's too hot.
I've stopped thinking.
I'll write it later.
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出張で私が子供の頃住んでいた町の隣りの市まで来た。予定よりも早く仕事が終わり時間に余裕があったので、昔住んでいた町に足を伸ばしてみることにした。

駅に降り立つと、木造の古い駅舎ではなく無機質なコンクリートになっていて面食らった。当たり前だが当時はなかった自動改札を抜け、駅前のロータリーに出た。この景色はあまり変わっていなくて少しホッとした。
住んでいたアパートに行く前に、通っていた小学校へ寄ってみることにした。
駅からは15分くらいかかったはずだったのに、10分もしないうちに着いてしまった。
40年以上前の卒業生とはいえ、「関係者以外立入禁止」と看板がある以上立ち入るわけにもいかないので、フェンス越しに校舎や校庭を見わたした。
こんなに狭かったか?
学校も町も。
そうではないことはわかっている。自分が大きく、大人になったからだ。子供の足で15分だったのだから。でも予想していた以上に学校も町も狭かった。
不意に懐かしいチャイムがなって、背中を押されるように私は小学校を後にした。

もうすぐだ。この道の先の辻を左に曲がると自分が家族と住んでいたアパートが見える…はずだった。
でもその場所はコンビニになっていた。
近所の光景も大きく変わっていた。
「40年以上前だもんな。」
歳月の流れを、この土地だけ止めることはできない。当然の事実だ。
私の思い出の景色はもはや私の頭の中にしかないことを思い知らされた。
私は足早に駅に戻ると今の自宅向かい帰途についた。



お題「この道の先に」

7/4/2024, 3:30:58 AM