『「ごめんね」なんて言わせない』
「また主の所へ行っていたのか?」
離れに繋がる廊下からこちらに向かってくる清麿に僕は声をかけた。
主の部屋は本丸の離れにある。
清麿はよく主の部屋を訪れる。
「やあ、水心子。お花見団子を貰ったから水心子にあげるよ。お団子好きだろ?」
「うん!!――じゃなくて!前から気になってたいたが、清麿は用事も無く主の部屋を訪れ過ぎだ。近侍でもないのに……」
僕がゴニョニョと口ごもっているを清麿はキョトンとした顔でこちらを見ている。
「主のお仕事をお手伝いしていたんだ。沢山業務が溜まっていたからね。――もしかして、水心子。嫉妬してるのかい?」
「っ!?
12/8/2024, 11:19:22 AM