心を削るように歌う
あなたをずっと見ていた。
相手の目を見て話を聞くその横顔も。
優しい笑顔も。
時折見せる無の眼差しも。
いつかこうなる事も分かっていた気がするのに。
あなたを助けてあげられなかった。
あなたを助ける夢を見た事がある。
ゆっくり休んでほしい、と伝えるとあなたは
僕にそんな時間ないよ、知ってるでしょ?って。
笑って去ろうとする背中に私は叫ぶ。
生きていればいつか会える、
しばらく会えなくてもいいから生きていてほしい、と。
あなたはハッとして、優しく微笑んでくれた。
もう届かないその言葉を
今も天国のあなたに叫んでいる。
-声が枯れるまで-
10/21/2022, 10:52:20 PM