leikenessa

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 目の前にある、美しく愛らしい顔。
 そんなはずがない。だってその最期に、実際に見た君の顔は……あんなにも、無惨だった、のに。
 君の頬に手を伸ばす。確かにこの手に触れたそれは、しかしどこか陶器のように滑やかで、その目は翠玉がはまっているようにすら見えた。







  自作小説『有り得た(かもしれない)話』より

7/30/2023, 2:56:35 PM