「踊りませんか?」
そう言いたげな視線と動作で訴えてくる
一時間程前からずっと踊っている彼から。
一緒に踊った人達は、みんなもう一度踊らないかと
彼に言う。上からっぽい言い方は
僅かなプライドがそう言わせるのだろうか
だが、彼はそれには耳もかさず
新たな相手を求めた結果、私に狙いを定めたようだ
節操がないと呆れながらも、それに応じた
曲が始まり、足を浮かせて、降ろした瞬間に悟った
化身
暗い感情、不安を一時だけ忘れさせてくれる
宴の精霊、酒の守護神たちの抱擁
10/4/2022, 10:48:48 AM