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枯葉

葉は枯れていった
そこではじめて名前が変わる
葉は枯葉へと名称を変える
秋が始まると枯葉は道に寝転び出す
靴で踏むとガサガサと音がし
風に揺れてもガサガサと音を立て地に舞う
枯葉はなんとも哀愁が漂っている
哀愁漂う気持ちで眺めていると切ないものを呼び寄せるようで
夏の蝉時雨を思い出す
一週間の命を費やす蝉たちが鳴くのを風物詩だと笑い夏を越した
蝉も静まる頃合いに夏の終わりを感じさせてくる
ただ暑い夏がなにやらかけがえのないものに思えてきた
もう夏は終わろうとしている
夏の手を待とうとも秋の手が目の前に来ている
枯葉はその秋の手に皺が増えたことを知らせてくれる
もう時期、おわりの頃合いだと。
そうして季節は巡る
花は枯れ葉も枯れる
花にやる水もいつか枯れてしまうのだろうか
それが自然の摂理とやらなのかもしれない
自分も年老い枯れていくのだから。
そうして地に還っていくのだろう
枯葉は今日も宙を舞い散る
枯葉の様に散っていけたならさぞ夢見心地だろうと思った
散る終わりは儚く美しい
私の美徳は今日も変わらずそこにある

2/19/2024, 2:04:46 PM