駅のホームから夏空を眺める
澄み切った青と太陽だけのシンプルな空だ
(あまりの暑さに鳥も逃げ出したのか?)
鼻でフンッと笑い、額の汗を荒っぽく拭う
熱風と共に停車した満員電車に乗り込み
参考書やノート、タブレットが詰まったリュックを
ギュッと抱きしめた
(俺は逃げないぞ…)
鳥が自由を求めて空を旋回する頃には
試験を越えて、俺は鳥のように自由を謳歌する!
-2nd story-
「俺さぁ、鳥のように捌かれて焼かれて誰かに提供されるような大人になんか、なりたくねぇんだよぉぉ」
居酒屋で焼鳥を見ながら同僚が涙した
とんでもないヤサグレ様だ…
「中生おかわりー!」
追加オーダーする同僚の小皿に
僕は自分の枝豆を山盛りに積み上げる
「うんうん。そんな日は鳥のように遠慮なく啄むといいよ」
同僚はぷぅとむくれながら「お前も仲間だぞ!」と
無理やり中生ジョッキを押し付けた。
#鳥のように
8/21/2023, 11:06:04 AM