ノナゴン

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「最後の上映」
「久しぶりに来たけど懐かしいなぁ。」街の中の古びた映画館に来ていた。小さい頃、家族でよくここで映画を観たものである。最初、私は映画を見るのが怖かった。大きなスクリーンからモンスターが出てきて襲いに来ると思っていたからだ。映画が上演されるたびに泣いてしまい家族からもよく怒られてロビーに出されたものである。その時に案内係をしているお姉さんによく遊んでもらったものである。なかなか、泣き止まない私に映画の話しを聞かせてくれたりジュースを奢ってもらたりしていた。それから私は映画が好きになった。だから、学校帰りでもこの映画館に通った。そして、その案内係のお姉さんと映画の話しをして楽しい時間を過ごした。しかし、それを最後に案内係のお姉さんと会えなくなった。それを他の案内係さんから聞いた当時の私はショックで当分、その映画館に行かなくなった。ある時、あの映画館が取り壊される聞いて私は最後の上映される日に久しぶりに来たわけである。
館内を見てみるとお世話になったファンの方が座っていてほとんど満席になっていた。最後の上映が終わるとほとんどの人が拍手しながら泣いていた。無論、私もである。
【さらば、私の青春】
私は一礼して映画館をあとにした。

6/27/2024, 3:24:45 AM