「あなた、わたしをころしたでしょう」
目の前に居る女は、僕たちを饐えた匂いで包みながら、ジツと強張った眼差しで脅迫する。
「わたし、あなたのこといまでも、、、
わたしはいままでずっと、ひとりぼっちだった。」
「あなたがわたしのまえにあらわれたひから、わたしはわたしのしあわせをよろこべた。あなたもおなじ、はずなのに」
「それは、貴女の欺瞞でしょう」
僕の隣の、翠は、静かに言葉を発する。
まるでそれは、静かに言葉を放てば、それほど目の前の女が悲しむことを分かっているようで。
「、、、すいちゃん、わたし、あなたとはうまくつきあえるとおもってた。」
女は、話す。
僕は、なんだか白けてきて、翠と一緒に帰ることにした。
どこかというと、とにかく、女がいない世界に。
「、、、わたしたち、みんないっしょに、いきられたでしょ。ねえ、いのりちゃん」
僕の名前を、女は呼んだ。
僕を産んだ女。僕に男らしさを植え付けて、僕を男も女も愛せない女にした女が、喋る。
僕は無視して、翠を連れて、だれもついてこれない世界へ行く。
今度の命は、人間でないことを願いながら。
11/7/2025, 11:21:30 AM