朝起きて支度して準備して家を出る。夜になって家に帰ってご飯を食べてシャワーを浴びて寝る。
平凡すぎてつまらない毎日。できることならこんな毎日放っておいて刺激的に過ごしてみたい。
そんなことを願っていたある日、父が倒れたと言う知らせを受けて病院へ急いだ。
昔から父のことは苦手だ。話し下手で、育児に不器用で、苦手で避けていてうまく話したことはこの数年でほとんどなかった。
なのに、父が倒れたという知らせをもらった瞬間頭の中が冷えて真っ白になって不安で涙が出そうになった。
実際、命に別状はなくただの疲労によるものだった。会うのが久しぶりだった父は最後に見た時より白髪が増えていて老けてしまっていた。相変わらず話し下手で気難しい人だったが、話の中に自分に向けられた愛情がちゃんとあることが、今になってわかった。
父が退院をして数ヶ月。母と話して家族で花見に行こうと言う話になった。高校生になってから現在まで、多分少し恥ずかしくて両親の顔を幼少期の頃のように真っ直ぐみることなどほとんどなくなっていたが、久しぶりに見た両親の顔は、記憶の中にあった元気で若い様子とは違っていた。
刺激的に過ごしてみたい。今でもその考え方が間違っているとは到底思えないし諦めるつもりもない。だってたまにはイベントがないとつまらなすぎる。
でも、今だけは、この桜の木の下で久しぶりに両親と3人でゆっくりできたこの平穏な時間が、ここ数年の中で、一番幸せだったかもしれないと思えた。
3/12/2026, 9:50:02 AM