「Sunrise」 #9
私はずっと、極夜の季節に生きていたようだ。
生まれてこの方、太陽というものを見たことがなかった。というより、太陽に興味がなかった。
別になくたって生活に困るわけじゃない。ただ景色が少し変わって見えるだけだ。
なんて考えていた過去の自分が哀れでたまらない。
初めて見た太陽の、なんと美しいことか。彼女が照らす日常の、なんと輝かしいことか。
私の太陽が、私だけの太陽がこちらに微笑みかけてくれたときの喜びときたら、何物にも代えがたい。
私は彼女に恋をした。
それが極夜を生きた私の、Sunrise。
5/21/2025, 1:41:12 PM