わらん

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君の奏でる音楽は優しい音色で聴き心地がいい。
そんな君は私に演奏を聴かせてくれた。
いつも通り優しい音。
私だけが聞くにはもったいないくらいだ。
けれど次の日いつも通り空を眺めているとその日から君の姿は見えなかった。
どおして?と疑問にもう聴けないのかと寂しく思っていた。
それから卒業までずっと来なかった。
結局聞けなかったなぁ…、もう一度聴ければなんて思いながら今日で最後の空を眺めていた。するとその放課後聞き覚えのある音色が耳に入ってきた。あの音だ。もしかして、と思いその音色を辿ってついたとこは音楽室。
そこで私はいつも聴いていた。卒業と共に涙が出た。
もう一度聴けるなんて、、。そして演奏が終わるとその子は私に向かってこういった。
「待ったよ?」
そう、私が遅刻とかしたとき必ず言ってくれた最初の一言。その4文字は消えるようにその子は消えた。空が暗くなるまでずっとその子を探した。なんで、なんで?どこに行ったの?結局どこにもいなかった。
「ありがとう。」
その言葉をおいて私は音楽室を出た。

















フィクションです。

8/12/2024, 10:08:26 AM