まるで修行中

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子供のままで、
いつまでも、
世の中の滑らかさを、滑稽さを、カラクリを
知らないで、小さな世界だけで生きている、
そんな子供のままでいたい、と、かつては、大人になりたい、と思っていた、とある大人は思った。
そうして今、
それなりの時を過ぎ、それなりの時間の味を知り、
深く緩やかに、
世を面白がる目を持ち、
世を嘆く目も持ち、
諦めたり、
自分を恥じたり、時には愛でることも稀にあり、
しかし、
かつて思い描いた通りの大人ではない、
いつまでも子供のままでいるような、
子供はいつまでも続き、
ただ、大人という皮膚を纏うだけなのか、と、とある大人は知った。
彼はそんなふうに生きた。

5/13/2023, 12:04:29 AM