汚水 藻野

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(何処かに今も残っているノートにて)
リン、私はあんたが大嫌いだったよ。

昔っから、頭も運動神経も人当たりも良くて、みんなの憧れで、友達多くて。まるでみんなの神さまみたいだったよね。

それに比べて私は頭も運動神経も人当たりも良くなくて、みんなのこと下に見て、友達と呼べる友達なんていなくて。まるでみんなの比較対象。

疲れた。今までごめんね。大嫌いだよ。

サヤ、私もあんたが大嫌いだったけど?

昔っから、自分を私なんかって謙遜して、礼儀正しくて、雑用みたいなのでも嫌な顔一つせず…。みんなに信頼されてたんだよ?

私は人よりも上だって信じて疑わなかったり、あんたみたく人当たりも良くなかった。だから、あんたに憧れて、努力したんだけど。まるでみんな、私を無理して扱ってるだけ。

気づいて。今までごめんね。大嫌い。
それから、__。

「…ねえ、ひどくない…?」
「苦しかったんなら早く言えよ、辛かったんなら早く言えよ、!!」
「こんな物残して、私にどうしろっていうの」

「本当は大好きに決まってんでしょ、ばーか」

さいごの言葉はすでにリンの涙で濁され、さらにサヤの涙で濁され、読めなかった。
でも、予想が正しければ、そこには、

「大好きだよ」

_2023.10.10「涙の理由」
十月十日、せっかくプラスが二つもあるのに、こんなお題よこして来やがって……。

10/10/2023, 1:48:08 PM