刹那
一瞬にして過ぎ去る一時。
かつて俺が過ごしていた一時。
忘れることのない一時。
感傷に浸っていたらいつの間にか墓前に来ていた。今日は君の命日でもあるまいのに。
俺以外にこの場に来るものは居ない。それもそうだろう、彼が死んだことは俺以外のほとんどが知りえない。墓前の花はもう既に枯れてしまっている。
生憎今日は花を買ってきていない。仕方がない、近くに咲いている彼に似合う野花を代わりに生けておく。
花が増えたからといって寂しいままであることは変わらないが、『ここは人が眠る墓』であることは見ただけでわかるだろう。
…俺が君にしてあげられるのはたったこれだけだ。
かつて共に一時を過ごした君へ、
『クトゥルフ-かつての親友と一時を過ごす話』
4/28/2026, 11:28:05 AM