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「新しいお母さんの結婚指輪」

とある女の子は妹達と共に

新しいお母さんの所へ行きました。

女の子達のお母さんは流行り病で亡くなってしまい、

お父さんと共にお父さんの最初の恋人である

新しいお母さんの家に引っ越して行きました。

新しいお母さんは、夫は愛しても

夫と別の女との間に出来た連れ子は

邪魔者扱いしました。

女の子の弟が

服を前後ろ逆さまに着ただけで

物凄く怒られて、頬を引っ叩かれたり、

女の子の妹が

おもちゃが欲しいと言うと

何発かげんこつを浴びせられて

押入れに閉じ込められました。

女の子達は、生みの親のお母さんの実家に行き、

妹と弟は、

「今のママやだ」

と言って、おじいさんおばあさんに泣き付きました。

女の子は、妹達に

「もうココに帰れないよ?」

と、説得するしかありませんでした。

新しいお母さんは

女の子達が度々生みの親の実家に帰る事を

良い風には思っていませんでした。

妹達は大泣きしていました。

ある日の事。

女の子達はある作戦に出ました。

新しいお母さんの部屋に入って

部屋を荒らしてしまうのです。

そして、結婚指輪を持ち出せば

お父さんと新しいお母さんは別れると考えたからです。

新しいお母さんの部屋に入った女の子達は驚きました。

新しいお母さんの部屋には、

大量の漫画の原稿が所狭しと置いてあったのです。

「新しいママって、漫画家なんだね」

女の子は目を丸くしてると、妹達は暴れ始めました。

「ダメだよ、結婚指輪探さなきゃ」

「今までの仕返し!」

そうこうしてると、新しいお母さんが帰って来ました。

「アンタら、何しとるんじゃ!!」

「あ…見つかっちゃった」

女の子達は新しいお母さんにこっ酷く怒られました。

「先生、原稿出来ましたか?」

「あ、すみません!子供達が部屋で暴れちゃって…」

新しいお母さんは出版社の人と話し込みました。

「お姉ちゃん、あったよ」

弟は結婚指輪を見つけて、握り締めてました。

「さぁ、部屋を出るよ」

女の子達は新しいお母さんの部屋を出ました。

「ったく、あのガキ共。エサ作らんぞ」

出版社の人は帰った時に新しいお母さんは呟きました。

「確か、今日は彼氏彼女になって20周年の日で

 二人で食べに行く約束だよな?

 ガキ共は留守番させるか。

 エサ一食抜いても大丈夫だろ…あれ?」

新しいお母さんは結婚指輪が無い事に気づきました。

「ガキ共め!!」

女の子達は生みの親のお母さんの実家に

向かっていました。

「この指輪どうするの?」

「それより、じいじとばあばの家に向かうのが先だよ」

「待て、ガキ共!」

新しいお母さんは女の子達を追いかけて来ました。

「どうしよう…追い付かれるよ」

「お嬢ちゃん達、困ってるみたいだな。

 トラックの後ろに乗りんしゃい」

軽トラの運転手は女の子達を荷台に乗せました。

「じいじとばあばのお家まで連れてって」

「よーし、任せた!」

運転手は軽トラを走らせました。

女の子達は事情を運転手に話しました。

「それは酷いお母さんだね…

 でも、黙って持ち出すのはいけない事なんだよ?」

「そうしなきゃ、今のママにもっと酷い目に

 遭わされるの。死ぬのヤダよ…」

「そうか…」

運転手は何処かへ連絡して、

全速力で軽トラを走らせました。

「確か、お嬢ちゃん達の実家はコッチだな」

生みの親の実家に辿り着きました。

「やったー!あ…」

先回りをしていた新しいお母さんが

家の門の前で立っていました。

「ココに来ると思ってたよ。

 さーて、漫画の様にトイレの水飲むか?

 それとも、ウンコ食わしてやろうか…」

女の子は青ざめて、妹達は涙目でした。

「今の会話、録音しましたよ」

家からおじいさんおばあさんと警察官が出て来ました。

「警察!?」

「後は署の方で…」

新しいお母さんは警察署に連れて行かれました。

「大丈夫だったか?」

おじいさんおばあさんは女の子達を抱きしめました。

その後、お父さんは新しいお母さんと別れて、

女の子達、家族四人で幸せな生活を送りました。

11/2/2021, 11:55:44 AM