日差しが差してこないここの土地。
通称・魔女の街と呼ばれる所。
別に魔女が住んでる訳でもないし 普通に失礼だと思う。
そんなことを思っていた。
ある日、僕が森の奥に遊びに行った時。
少し痩せ細っている木がそこに立っていた。
遊び半分で揺らすと、
その木はこの街と別の街を繋ぐ木だったらしく
葉が全部落ちてきて、日差しがいきなり差してきた。
僕は初めての日差しに感動した。
こんなにも日差しは暖かいんだ。
すると 町長が顔真っ青にしてこちらに歩み寄ってくる。
「馬鹿者…!馬鹿者‼ここの土地は…ここの土地は…
魔女の街と呼ばれることで世界に面白がられて金を稼いできたんじゃぞ!
それなのに日差しが差してきたらただの街じゃ!おしまいじゃ!」
ジタバタジタバタと喋り続ける
町長を見ながら、
ふと思った。
━━街の住人たちの健康を犠牲にしてまで日差しを差さず、
それを笑い物として扱う町長こそが、
真の魔女だと。
#日差し
7/2/2023, 11:14:57 PM