クジラになりたいイルカ

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涙の理由____

2022/10/10 小説日記


#優しさ
私は小さい頃から「優しい」と言われてきた。昔から友達や家族にずっと言われていれば自覚はする。それに、優しくすればメリットしかなかった。私が優しくするだけで相手は笑顔になるし、私も笑顔になる。だから優しくするのは嫌じゃなかった。


#我慢
中学生になって「我慢」することが増えた。というか、幼い頃は我慢しなくても大丈夫だと思っていたからだ。でも、中学生では我慢するほうが優しいと言われる。自分の意見を我慢したほうがうまく行く。相手の言葉が矛盾していてムカついても我慢する。だから我慢するのはしょうがなかった。


#しょうがない
中学生になって「しょうがない」と思うようになった。あの子が私の悪口を言っている。でも、そうなるのは私が無意識に彼女を傷つけたからだ、しょうがない。あの子の短所は人を傷つけるけどそれは大きな長所にも変わる、しょうがない。だから自分もしょうがないと思われたかった。


#怒り
中学生になって「怒り」というものがほぼ消えた。人の短所ばかりではなく長所を見るようになったからだ。それに、どんなに嫌な思いをしても「我慢」できたし「しょうがない」と思ったんだ。自分は今でも人に優しくできているし怒りなんてほぼない人間を演じていた。だから安心していた。


#涙
「優しさ」「我慢」「しょうがない」「怒り」
全部全部、それを涙に変えるようになったのは、
いつからだっただろうか。

優しくするのが疲れて夜中に泣く。
我慢するのが限界で夜中に泣く。
しょうがないとわかっていても夜中に泣く。
溜め込んだ怒りが涙となって夜中に泣く。

週に4回は泣くようになった。
どうしてこんなふうになってしまったんだろう。


















10/10/2022, 12:50:55 PM