杏野 天音

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「…暑い」
いつからこの国はエアコンが効かない灼熱地獄になったんだろ?
ダルいし、推しの顔を見てから起きよう…
「…確かこの辺にあったはず」
自分の部屋だし、どこになにがあるかくらいわかってる。
「あった!!」
凌央くんの笑顔は、ここが灼熱地獄であることを忘れさせてくれる。
「なにか足りない…」
そうだ、やっぱり声を聞かせてもらわないと♪
枕元のスマホでもいいけど、大きい画面で見たいと思った私はタブレットを探す。
…あった…
凌央くんがおはようって話しかけてくる。
軽やかで澄んだ声は涼しい高原に私を連れて行ってくれるようだ。

「いつまでゴロゴロしてんの!早く自分の部屋片づけなさい!コレじゃゴミ屋敷でしょ」
「だって、いつまでも捨てられないんだもの!凌央くんのグッズは私の宝物なんだから」

8/17/2024, 2:25:21 PM