-𝔸𝕜𝕒𝕟𝕖𝕜𝕠-

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〖星空〗

星空を眺めるのが好きだった祖父は私が学生時代

夏休みや冬休みなどの長期休みになると毎年のようにお気に入りの展望台へ私を連れ出し星空を眺めていた。

私が、幼少期の頃「あの空のキラキラしたのってなーに?」と言う質問に

祖父は、「あれはお空に穴があってそこから雨が出てくるんだよ」

などと今となっては馬鹿話のような事を

「そーなんだー!」と驚いた私の反応が面白かったらしく、毎年のように、それっぽい嘘を私に教えては驚いた反応見てご満悦の顔をしていたのを覚えている。

それから数年が経ち、社会人になって地元を離れていた私に父親から電話があった。

「祖父が、体調を崩し入院した」

私はふと、嫌な予感を感じた。

今までこれといった病気もしていなかった元気の塊のような祖父が入院した?

父親は「見舞いに来れるなら来たらいい」とだけ伝え、祖父の容態などは詳しくは話さなかった。

私は、その対応も何か引っかかるものがあり、その日の週末に祖父の入院している病院を尋ねた。

病室へ入ると祖父は居らず、両親に待合室へ連れていかれた、そして祖父は癌である事を告げられた。

薄々、何かあるのではとは思っていたが、私にとって衝撃的な事に変わりなかった。父親の話によると本人(祖父)の意向で延命治療はしないと言う話だった。

病室へ戻ると祖父が部屋のベッドに戻っていた

部屋に入るなり祖父は私を見つけ

「おお!帰ってきたのか!」と自分家にいるような大声で私に言い、思わず家族全員でシ━━━ッd((ˊ皿ˋ ;)とやってしまった、それがまた面白かったらしく高笑いをしている祖父を見て、ホントに病気してんのかこのじーさん...と思ったのは忘れもしない。

だが、そんな笑い話のような出来事も長くは続かず、それから1ヶ月後、祖父は癌で亡くなった。

それからもう何年も経つ今年、姪っ子に星が見たいと夜、外に連れ出された、たまたま天気にも恵まれ満点の星空が見える。

「お空キラキラしてて綺麗だねあのキラキラしてるのなんだか分かる?」

「お星様!」

「えー、違うよあれはお空に穴があいていて雨がでてくるところだよ?」

姪っ子は眉間にシワをよせ(  ・᷄-・᷅ )

「ママー、おんちゃん変なこと言ってるよー」

心の声(じーちゃん、ひ孫には通じなかったよ)[END]

7/6/2023, 8:33:19 AM