-さよならを言う前に-
「あの…」
授業も終わったし、帰宅部の私はさっさと帰ってバイトに行くつもりだった。
「少しお話しませんか?」
同じクラスの碧だった。
私に何の用?
「バイトあるから早く帰りたいんだけど」
「じゃ、途中まで一緒に帰りませんか?」
登校の時に時々見かけるから家が近いのかもしれない。
「じゃ、途中まで」
碧とはあまり接点も無く、たまに話すくらいなんだよね。
………
一緒に帰ることになったけど、気まずい空気が漂う。
碧は沈黙したままだ。
「…あの、話って?」
「陽葵は好きな人いる?」
なにを突然言うの?
「いや、そういうことに興味無くてバイトして小遣い稼いでる」
碧の好きな人が実は私のことを好きで、三角関係になってる?
面倒なんだけど、そういう恋愛話は。
「私、陽葵のことが好きなんだ…教室でいつも陽葵のことを見てる」
同性同士の恋愛は否定しないけど、私はそもそも恋愛感情を持てないタイプかもしれない。
………
「私、誰かを好きになれないんだ。だから、ごめん。碧、さ-」
私が話を終える前に世界の輪郭がぼやけ、私の意識も薄れ…
「あの…」
授業も終わったし、帰宅部の私はさっさと帰ってバイトに行くつもりだった。
「少しお話しませんか?」
同じクラスの碧だった。
私はその瞬間、胸の鼓動が速くなり、顔が熱くなるのを感じていた。
あれ?コレって…
どうしたんだ?
「あ、今日バイトあるから帰らないと…」
「じゃ、一緒に途中まで帰ろ」
「…うん」
碧は今日のクラスの出来事とか色々話してくる。
私は返事しつつも、今まで感じたことのない気持ちになっていた。
バイトが終わったら碧の家に行こうかな。
fin
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後から編集したので、当時の言い訳コメント残しておきます。
鋭意制作中です(汗)
まだ、さよならは言いませんよ
8/21/2024, 3:18:15 AM