月明かりのした、浜辺を歩く
眠れないから、夜の散歩にいったのだった。
波打ち際にひとつの影があった。
近づいてみると同じクラスで近くに住んでいる、好きなだった。
思いっきって声をかけてみた。
[こ、こんばんわ]
[、、、]
ずっと一点を見つめていたのか反応はなかった。
[こんばんわ]
今度はもう少し近くで聞いてみた。
[こんばんわ、寝れないの?]
2回目で気づき、返事をしてくれた。
いつも通りの爽やかかな優しい声で
[うん、寝れなくてそっちは?]
いつもの彼女だった。なのに月明かりのせいだろうか、いつも以上に綺麗で愛おしく思った。
[私も寝れなくてね、あとちょっと外の空気を吸いたくてね]
いつもの彼女なのになんだか違う気がした。
彼女はずっと空の一点を見つめていたのだった。
[月綺麗だよせっかく来たんだし見てきたら?]
そう言って座ると隣をポンポンと軽く叩いたのだった。
お言葉に甘えて見ることにした。
今このタイミングはおかしいかな
けど伝えたい、彼女が転校する前になにかないかな、
見上げると月が顔を出していた。
海面はプランクトンで光っており、美しい景色だった。
[月が綺麗ですね]
そういうと、頬を赤らめながら君は言った
[そうですね、綺麗ですね]
[私、][俺、]
言おうとしたタイミングでその子の方も同じタイミングで口を開いたのだった。
お互いに譲り合って、結局僕から言うことになった。
[中学で同じ部活になって、からずっと好きでした、こんな僕でよければ付き合ってください!]
怖くて、彼女の顔が見れなかった。
[はい、こ、こちらこそよろしくお願いします!]
[やった!!]
思わずガッツポーズをした。
照れながらも笑っていた。
月夜のしたで軽い冗談をしばらく言い合ったあと、一緒に家に帰った。
お題[月夜]
No.82
3/7/2024, 3:57:39 PM