夏休みが明け、新学期が始まった。
夏休みの間に会えなかったクラスメイトたちと宿題が終わらなかっただの、海外へ旅行に行っただの他愛も無い話で教室内が盛り上がる。
そこへ担任が入ってきて、お決まりのセリフで生徒たちの気を引き締めさせ始業式を卒なくこなしていった。
そんな中ぼくは1学期の間に話せなかったクラスで最も人気のある女子、中新井サヤカさんと登校中に何かのキッカケでLINE交換ができて有頂天になっているところだった。
ぼくたちの学校は校則が厳しく学校で授業を受けている間はスマートフォンを貴重品として預けなければならない。
LINEを交換してすぐに貴重品係から回収されてしまい、未だに彼女へスタンプさえ送れておらずどんなものを送ろうか、それとも無難な挨拶か、いっそのこと休日に遊ぼうと誘ってみるべきか……。
こんなことばかりを悶々と考え時間は過ぎていくのだった。
お題:開けないLINE
9/1/2022, 2:11:31 PM