『初恋の日』
私の初恋は中学一年生の夏頃だったかな。
朝、自分の机にカバンを下ろして、ふとその人を視界に入れると、理由も分からず胸の高鳴りが収まらなかったとこを今でも鮮明に覚えている。
あの頃の自分は、恋をすることが初めてで、恋をした自分がどんな人間に変わるのかまるで分からなくて、少し恐怖さえ感じながらその人のいる世界に存在していたと思う。
重いと思われるかもしれないけど、私の初恋の人は、縮こまって生きてきた私を大きく変えてくれた人生の恩人でもあった。
「笑ってた方がいいよ」
この一言で私は救われた。
私の見る世界の面積が一気に広くなった。
人生を救ってもらった人を、恋愛感情がなくなったからって記憶から抹消することなんてできない。
そこには、恋愛感情以上の想いがあるから。
だから、忘れようと務める行為も無駄なんだ。
初恋の定義が人それぞれならば、私の初恋はこれから先も続いていくのかもしれない。
5/7/2024, 12:28:48 PM