歩歩満

Open App

夢中になって駆け抜けた

田舎の祖父母の家の近くにある花畑

風を切りながら、蝶々を追いかけた

後から祖母が、歩いてくる

踏み倒した花々の道をたどりながら

笑っていたが、漠然とわかった

「ばあちゃんを悲しませてしまった」と

結局、帰るまでまともに口がきけなかった

翌年、同じ花をあげたら喜んでくれた

亡くなった際も、同じ花を捧げた

社会人になってからも

毎年欠かさず捧げている

自分で育てたものと

花畑から摘んだものとを

一束にして











9/17/2022, 10:54:40 AM