それでいい、それでいい筈なんだ。なのにおれはまだ彼女のことが胸の奥底で夢に見てしまっている。―美しいもの程、脆くて儚く、壊れ易いんだ。―何処かで聞いた気障な文句をふと思い出していた。彼女の笑顔が、夕焼けのように美しかったから。赤く燃え上がりながら、闇に抱かれていく夕焼け。
4/4/2023, 2:56:39 PM