──眩しさに目を覚ます
どうやら、カーテンを閉め忘れたらしい
仕事で疲れて
お風呂に浸かり
化粧を落として
ベッドに倒れ込んだ
髪を乾かすのも忘れて
眠った気がする──
「……今日も一人、か」
朝はいつも
そんなことを思う
けど
なんでかな……
今日はなんだか温かい
カーテンが開いているから?
まだ怠い体を起こそうとする
──が、体が重たい……
頭を起こすと──
「おはよう」
見知らぬ男性と目が合った
不思議と恐怖心はなく
むしろ安心感があった
存在感を身近に感じた
この日から
彼は
私がカーテンを閉め忘れた日の朝にだけ
現れるようになった
──彼の笑顔はとても眩しかった
とても温かくて
抱きついたら
火傷しちゃうんじゃないかってくらい
──梅雨入りした。
すると
彼は全くといっていい程
現れなくなった
私の心もどんより気味
心も寂しく
すかすか……
この長い雨が上がったら
また彼に会える?
……私の中で
彼の存在がとても大きいものになっていた──
(2023.06.09/朝日の温もり)
6/9/2023, 12:05:57 PM