浅塩

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大晦日だからと言って特に冬休みの1日が変わるわけじゃない。
勉強をしたり読書をしたり、いつも通りだ。
ちょうどスマホをいじってる時LINEが届く。
『今暇ー?電話しない?出来たらで良いけど』
急だなぁ…まぁ暇してたから全然良いけど
『良いよ。』
『ほんと!じゃあかけるねー!』
そのメッセージが届いたと思ったら、すぐに電話がかかってくる。
「もしもし?」
「あー!もしもし!久しぶりー!」
「そんな久しぶりじゃなくない?」
「26に遊んだきりじゃん。細かいことはいいの〜」
なんでこんなテンション高いんだろう…
「なんか良いことでもあった?」
「えっ!良いこと?誕生日に貰ったプレゼントが最高だったけど…」
「何を貰ったのよ…」
プレゼントの話や、クリスマス&帰省した時の話を聞いたらいつの間にか時間が経っていた。
「もうこんな時間…?1時間ぐらい喋ってるよ」
「もしかしてなんか用でもあるの?」
「いや特にないよ」
確かにこれから勉強再開しようと思ってたけど、まぁいっか。
せっかくの大晦日だし、より電話の方が今は私にとって大事だ。
「そういえばさぁ〜私の使ってる音楽アプリで今年よく聞いた曲教えられたんだけど、TOP 5まで全部同じグループのだった」
「あ〜好きって言ってたよね。分かり易っ」
「だよねーてかビックリしちゃった。」
「何が?」
「今年もう終わるんだなぁって。でも終わることにビックリしてるんじゃなくて、実感が湧かないことにビックリしてる」
「あーそれ、ちょっと分かる」
「ほんと?」
テレビのCMとか広告とか仰々しいほど新年を飾り立ててる。
まるで1月1日から激しく変わるかのように。
「新年迎えたって、私の日常の根本的なところは変わらないから」
「…うん?」
「新しい年を迎えて、確かに変わるよ。私だって…学年だったり、クラスだったり。でもなんだろう…最終的には結局良い年だったって言う感想になるからかなぁ…?」
「それってさ、色々大変なことがあっても楽しかったこととかが上回るってこと?それがいつもだからって話?」
「そう。そうだよ…今私は伝えようとしたこと全部言葉にされて感動してるよ…」
「それって1番幸せなことじゃない?結局良かったなぁって思えるのは」
「そうだよね…私の学校生活もなんだかんだで幸せだったし」
「えっ、それ何…私たちのお陰ってこと?」
やけに嬉しそうに聞いてくる。
言われてみればそんなことを私は言ってるのだろう。なら、
「うん。そう思う。今も私楽しいし。」
幸せだしとは、恥ずかしくて言えない。
「えー照れちゃう〜でも私も楽しいし幸せ〜」
お互い、どこからか笑ってしまう。
「ねぇ、私予告するよ。」
「何」
「0時になったらメッセージ送る!」
「はーい。楽しみにしてる」
ねぇ、こうやって年の終わりにこんな気分になれるだけで私の一年なかなか良かったんじゃない?

12/31/2022, 1:23:38 PM