優しくしないで
私はあなたのことが好きだ
あなたはいつも優しくしてくれる
目が合うといつも声を掛けてくれる
時間が合えば帰り道も一緒に歩いてくれる
コンビニで道草するのも付き合ってくれる
そんなあなたのことが好きだ
でもあなたは時折寂しそうな顔を浮かべている
必死に携帯で何かを打ち込んでいる
何でなのか、何をしているのか、私には分からない
それが私宛のメールだったら嬉しいのになと思う
私に尻尾が付いていればぶんぶん振っていただろう
実際にはそんなメールは届かない
今日こそあなたに想いを告げようとした
波に乗れた今日を逃したら二度と言えない気がした
だけどあなたのことが好きだから
あなたの気持ちに気付いてしまった
あなたは私を見ていない
あなたは私の向こうのどこか遠くを見ている
辛かった、悲しかった、苦しかった
―――お願い、私に優しくしないで
声には出せず涙が溢れ出た
あなたはそんな私を見て戸惑っていたね
そこからはお互いに無言でうちまで付き添ってくれた
私はあなたのことを想いながらその日は枕を濡らした
5/2/2024, 3:42:36 PM