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どうしても、どうしても正体のわからない大きな感情に埋もれてしまいそうになったとき、本能的にワイヤレスイヤホンに手を伸ばす。そして縋るように音に頼る。私が言葉にできない負の気持ちを彼が代弁してくれる。ふいに涙が溢れる瞬間がある。歌詞に泣かされる、と言えばいいのだろうか。そのとき初めてあぁ、私本当はこう思っていたんだ、と自覚する。一生ファンとアーティストの関係。そんなのはわかっている。でも確実に私は彼に生かされている。私にとって彼の音は生活必需品。会えるはずもないのに会いたい、私を知ってるはずもないのに助けてよ、そんな無責任なことを言って泣く。でも一度だけ、自傷しようとしたとき貴方の声が聞こえた。『生きろ。』優しい貴方には珍しい強い口調だった。歌詞にあるような大丈夫、でも、泣かないで、でもないんだね。なんだか私、今日も死ねないみたい。

11/30/2024, 2:07:29 PM