エグチーセット

Open App

君の定位置である椅子を処分した。
もう君は帰ってこないと区切りをつけたからだ。
椅子以外にも、君の愛用品は処分していく。中古品として売り出せるものは全てだした。あるのは自分用と来客用の食器。
もう君のいた痕跡は数えるほどしかない。
それでも、ふと顔を上げて思い出すのは、君の横顔。君の声。君の気配。
どれも、輝くばかりの思い出。
ああ、すっかり空っぽになっても、心に居座っている君。

10/6/2023, 12:56:09 PM