柵が作品P

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第5話
【今一番欲しいもの】

僕…蓮が欲しいのは、確信だ。
海斗と美玖が話している様子をみると、
美玖は、海斗のコトが好きなように見える。
海斗が美玖をオトそうとしているようにも見える。

「してませんよーに!」
つい声が出てしまった。
「何が?」
「うわぁ!?」
そこにいたのは、美玖だった。
「いつもだけど急に話しかけんなー」
「へへ」
「なんだよ へへ って…」
僕は思った。いや、前から思っていた。

「なぁ、美玖、お前好きな人いんの」

僕は聞いてしまった。
なんの前フリもなかった。
そーゆー雰囲気でもなかった。
だから、美玖は目をまん丸にして驚いている。
僕も そのくらい驚いている…と思う。

「わかんない」

目の前にいる美玖は、
僕の隣を歩きながらそう答えた。
いやいやいや、わかんないってなにーーーー!

「わかんないってなんだよ」
「うーん、わからなくはないよっ!」
「じゃぁなんだよ」
「…言うのが恥ずかしいだけっ」
なんて可愛いんだ…
…恥ずかしくてわかんないなんて答えるか?
ま、いいーや
「そっか、」
「まっ!そのうちわかるよっー!」
「ったよー」
せっかく、自然な感じ&勇気をだし て言ったのに…

そのうちわかるってなんだよ。
まるで、何かを計画しているかのように
美玖の言葉には確信があった。

休み時間―――
僕は寝ていた。
すると、隣に美玖と海斗がいた。
話しているようだ。
なんでわかるって?起きているからさ。
机に倒れかかっている冗談。
「海斗ー」
「どした?」
…盗み聞き
こんなのしちゃダメってわかっている。
でも、二人の関係も気になる。
そして、美玖がどう思っているかとか。

「蓮って誰が好きなのかわかる?」
「なんだよ急に」
ほんと、なんで急に僕の好きな人なんて…?
僕の頭の中はハテナであふれていた。
海斗は言った。
「知らないケド」
「ふーんそっか!」
「…いないんじゃない?蓮のことだし。」
いや、いますよ!すぐ隣に!
「そっか」
だから!いますって!
「美玖はいるの?」
「…いるよ。でも、もーいいや!無理だしさ」
美玖…?どーゆー事だ?
「それは残念だな。ま、諦めたならそれでいいよ」
数秒経って美玖は言った。
「まさか、海斗…!?」
「ふふっ」
ふふっ?顔近づけているのか?あいつは?
何がおこっている。
横目ならどうにかバレない…よな。
バレないようにそっと、、、

キーンコーンカーンコーン( ˙-˙ )/キーン

くそっ!もう少しだったのに…!
『痛ッッッ』
三人の痛いという声が僕には聞こえた。
実際、僕は頭が痛くなった。
急に起き上がった。周りを見てみる。
そこには、僕を真ん中に、痛そうなポーズをしている美玖と海斗がいた。
あぁ、きっと三人でゴッツんしたのかー!
…なんで?
どーやったらゴッツんなる?
寝ている間に何かあったのか?
あぁぁぁ過去に戻せる魔法が欲しいー!!!
「何があったの?二人とも…?」

【つづく】

7/21/2022, 10:33:42 AM