聖夜。明日は大昔の凄い人の誕生日らしい。
皆、浮き立ち明日を心待ちにする。
死して尚 その存在は生き続け
何千年も前 彼が確かに生まれ 生きていた
その事実だけで人々は歓喜に酔う。
よく分からない
そう言いつつも 部屋には小さなツリーやキャンドルなんかを飾って。
同調し 流されてばかりの私。
暗い部屋で 一人キャンドルに火を灯す。
ゆらゆらと 幾度も形を変えるそれを眺め ふと思う。
まるで自分のようだ、と。
ひっそりと 人知れず 燃え尽きてゆく。
風に流されて 簡単に消えてしまう。
小さく 凡庸で 儚い。
けれど そんな小さな炎でも ほんの少し 私を温めてくれた。
「キャンドル」
11/20/2021, 3:47:51 AM